初めての決算申告で何を準備する?|必要書類・申告期限・税理士に依頼する判断基準を解説
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初めての決算申告で何を準備する?|必要書類・申告期限・税理士に依頼する判断基準を解説

「決算申告」と聞いても、初めての法人決算では「何を準備すればよいのか」「自分でできるのか」「どこに頼めばよいのか」が分からず、不安に感じる社長や会計担当者の方は少なくありません。

特に設立1年目の法人では、日々の売上管理や経費精算で手一杯になり、決算期が近づいてから必要書類や申告期限を調べ始めるケースもあります。決算申告は、決算書を作って終わりではなく、法人税・消費税・法人住民税・法人事業税などの申告と納税まで含む重要な手続きです。

当事務所でも、設立1年目の社長様から「何から手を付けてよいのか分からない」というご相談を多くいただきます。「そもそも記帳の方法が分からない」「領収書は取ってあるが、どう整理すればよいのか分からない」といった段階でも、まず現状を把握するところからサポートしています。

この記事では、決算申告に必要な書類、基本的な流れ、自分で対応できるかどうかの判断ポイント、税理士へ依頼する場合の考え方まで分かりやすく解説します。初めての決算で迷っている方も、まず何から確認すべきか整理できる内容です。

はじめての決算申告で不安になりやすい理由

決算申告に必要な書類や提出先が複数あり悩む法人経営者を示したイラスト

はじめて決算申告を迎える社長や会計担当者が不安になりやすいのは、単に「書類が多いから」だけではありません。決算書、法人税申告書、勘定科目内訳書、法人事業概況説明書など、聞き慣れない書類が一度に出てくるうえ、申告先も税務署・都道府県税事務所・市区町村に分かれるため、全体像がつかみにくいのです。

また、「法人の決算申告は、顧問契約をしている税理士にしか頼めない」と思い込んでいる方もいます。しかし実際には、決算申告だけをスポット依頼できる場合もあります。日々の会計入力は自社で行い、決算書や申告書の作成だけを税理士に依頼する、という選択肢も検討できます。

実際に、「顧問契約が必要だと思っていたが、スポット依頼で対応できた」というケースもあります。初年度決算だけ専門家に確認してほしい場合や、申告期限が近づいて不安になった場合でも、まずは対応可否を相談してみることが大切です。

注意したいのは、決算申告には期限があることです。法人税や消費税、法人住民税、法人事業税の申告・納税期限は、原則として事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。たとえば3月31日決算の法人であれば、原則として5月31日までに申告と納税を済ませる必要があります。

お問い合わせいただいたお客様の中には、法人設立後に税務署や地方公共団体への設立届出書、特に青色申告承認申請書の提出を失念していたケースもありました。事前にご依頼いただいていれば、優遇税制などを利用して税金を抑えられた可能性があったものの、提出期限を過ぎていたため適用できなかったという案件もあります。

また、ご自身で申告したものの内容に誤りがあり、後から追加で税金を支払うことになったケースもあります。本来支払う税金に加えて、加算税などのペナルティが発生する場合もあるため注意が必要です。

期限が近づいてから「自分では難しい」と気づくと、資料整理や税理士探しに十分な時間を取れないことがあります。そのため、決算申告は「よく分からないから後回し」にするのではなく、まず自社で対応できる範囲と、専門家に任せた方がよい範囲を早めに切り分けることが大切です。専門家へ期限内に申告を依頼することで、煩わしい手間や不安を軽減しやすくなります。

決算申告に必要な主な書類

決算報告書や法人税申告書など決算申告に必要な書類を整理した図解

1. 決算報告書

決算報告書は、会社の財務状況や経営成績をまとめた書類です。代表的なものに、貸借対照表や損益計算書があります。

貸借対照表では、決算日時点の資産・負債・純資産を確認します。損益計算書では、1事業年度の売上や経費、利益を確認します。法人税の申告書は決算書をもとに作成するため、決算報告書は決算申告の土台になる重要な書類です。

2. 勘定科目内訳書

勘定科目内訳書は、決算書に記載された勘定科目の内訳を示す書類です。たとえば、預金、売掛金、買掛金、借入金、役員借入金などについて、相手先や金額の詳細を記載します。

税務署が会社の財産や取引状況を確認するための資料でもあるため、法人税申告の際に添付が求められます。

3. 法人事業概況説明書

法人事業概況説明書は、会社の事業内容、従業員数、支店の有無、取引状況などを記載する書類です。決算書だけでは分からない会社の概要を補足する役割があります。

税務署に対して、どのような事業を行っている会社なのかを説明する書類と考えると分かりやすいでしょう。

4. 法人税の申告書

法人税の申告書は、会社の所得金額や法人税額を計算し、税務署へ申告と税額を支払うための書類です。

ここで注意したいのは、決算書上の利益と法人税を計算するための所得金額が必ずしも一致しないことです。会計上は費用として処理していても、税務上は損金として認められないものがあるため、税務調整が必要になる場合があります。

5. 消費税・地方税の申告書

会社の状況によっては、消費税の申告も必要です。また、法人住民税や法人事業税については、都道府県や市区町村への申告が必要になります。

法人税は税務署へ提出しますが、地方税は自治体側に申告するため、提出先が異なります。初めての決算では、この「提出先が複数ある」という点で混乱しやすいため注意しましょう。

当事務所にご依頼いただく場合、最初に以下のような資料を確認します。

  • 定款
  • 登記簿謄本
  • 税務署、都道府県税事務所、市町村への設立届出書
  • 電子申請届出書
  • 通帳コピー
  • 売上請求書
  • 経費の請求書や領収書
  • クレジットカード明細
  • 給与明細一覧表
  • 契約書
  • 借入金返済予定表
  • 会計ソフトの入力状況

資料がそろっているほど、決算書や申告書の作成をスムーズに進めやすくなります。

決算申告の進め方|3つの手順で確認

法人の決算申告の流れを決算書作成から申告納税まで3ステップで示したフロー図

決算申告は、いきなり申告書を書き始めるのではなく、次の3つの流れで進めます。

1. 決算書を作成する

まず、1事業年度の取引を整理し、決算書を作成します。売上、仕入、外注費、役員報酬、家賃、通信費、借入金、預金残高などを確認し、会計データと実際の残高にズレがないかを見直します。

在庫がある会社では、期末時点の棚卸も必要です。通帳、クレジットカード明細、請求書、領収書がそろっていないと、決算書の作成に時間がかかるため、早めに資料を集めておきましょう。

2. 申告書を作成する

決算書ができたら、それをもとに法人税などの申告書を作成します。法人の場合、主に法人税、消費税、法人住民税、法人事業税が関係します。

申告書の作成では、決算書の数字をそのまま転記するだけではなく、税法に沿って所得金額や税額を計算します。たとえば、交際費や役員給与、減価償却費などは、税務上の取り扱いを確認する必要があります。

3. 期限までに申告・納税する

申告書が完成したら、期限までに提出し、税金を納付します。法人税や消費税は税務署へ、法人事業税や法人都道府県民税は都道府県税事務所へ、法人市町村民税は市区町村へ申告します。

決算申告の期限は、原則として事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。期限を過ぎると、延滞税などの負担が発生する可能性があるため、スケジュールには余裕を持つことが大切です。

費用が気になる場合は、作業範囲を整理する

税理士に決算申告を依頼する場合の費用は、会社の売上規模、取引量、記帳の進み具合、資料の整理状況、消費税申告の有無などによって変わります。

たとえば、会計ソフトへの入力がほぼ完了している会社と、領収書や通帳の整理から必要な会社では、税理士側の作業量が大きく異なります。そのため、費用を確認する前に、まず「どこまで自社でできているか」「どこから依頼したいか」を整理しておくと相談がスムーズです。

期限内申告を行ううえでは、申告期限の1ヶ月前までに資料をいただけると、正確な決算書や申告書を作成しやすくなります。

依頼時に不足しやすい資料としては、店舗の家賃契約書や契約時の計算書、内部造作や車両などの設備購入時の注文書、ATMを利用した際の振込依頼書、決算月後に支払っている決算月分の請求書、クレジットカードを利用している領収書などがあります。

また、会計ソフトへの入力状況によっても作業量は変わります。クラウド会計を利用しており、領収書などをスキャナー等で読み込んでいる場合は、比較的作業量を抑えられることがあります。その分、依頼コストの削減につながる場合もあります。

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決算申告は自分でできる?税理士に頼む判断基準

決算申告を自分で行う場合と税理士へ依頼する場合の判断基準を示した比較図

決算申告は、社長や会計担当者が自分で対応できる場合もあります。ただし、すべての法人にとって自力対応が適しているわけではありません。

自分で対応しやすいケース

会計ソフトへの入力が日頃から正確に行われており、取引量が少なく、複雑な税務処理がない場合は、自社で対応できる可能性があります。

たとえば、売上や経費の件数が少なく、借入金や在庫、固定資産、消費税申告などの論点が少ない会社であれば、会計ソフトや税務ソフトを使って進められる場合もあります。

税理士に相談した方がよいケース

一方で、次のような場合は、税理士への相談を検討した方が安心です。

  • 会計入力が途中で止まっている
  • 領収書や請求書の整理ができていない
  • 消費税申告が必要か分からない
  • 借入金や役員借入金がある
  • 在庫や固定資産がある
  • 赤字でも申告が必要か分からない
  • 申告期限まで時間がない
  • 法人税申告書の作成に不安がある

法人税の申告では、会計上の利益をもとにしながら、税務上の調整を行う必要があります。誤った処理のまま申告すると、後から修正が必要になる可能性もあります。

顧問契約なしで頼める場合もある

税理士に依頼するというと、毎月の顧問契約をイメージする方も多いかもしれません。しかし、税理士事務所によっては、決算申告だけのスポット依頼に対応している場合もあります。

スポット決算では、決算書や申告書の作成、申告手続きや納付手続きまで対応できる場合があります。「日々の会計入力は自社で行っているが、申告書の作成だけ不安」「今回の初年度決算だけ専門家に確認してほしい」という場合は、スポット対応が可能かどうかを確認してみるとよいでしょう。

一方で、節税提案や財務分析などの経営助言、日々の煩わしい経理業務のサポート、資金繰りのアドバイスまで継続的に受けたい場合は、顧問契約を検討する選択肢もあります。

初回相談では、法人の定款や謄本、届出書、前期の申告書、経営者の履歴、売上や資金繰り、従業員数、経理状況などを確認することで、スポット決算で対応できるか、継続的なサポートが必要かを判断しやすくなります。

決算申告の依頼先に迷ったときの選び方

決算申告を誰に頼めばよいか分からない場合は、まず法人決算に対応している税理士事務所を探すのが基本です。個人の確定申告と法人の決算申告では、必要な書類や税務処理が異なるため、法人対応の経験があるかを確認しましょう。

法人決算の対応実績があるか

依頼先を選ぶ際は、法人税申告、消費税申告、法人住民税、法人事業税まで対応できるかを確認します。初年度決算の場合は、設立時の届出や資本金、役員報酬、創業費・開業費の処理なども関係することがあります。

スポット依頼に対応しているか

顧問契約ではなく、今回の決算申告だけ依頼したい場合は、スポット決算に対応しているかを確認しましょう。税理士事務所によって、顧問契約前提の場合もあれば、決算申告のみ対応している場合もあります。

問い合わせ時には、次のような情報を送ると、対応可否や費用感を確認しやすくなります。

  • 会社名
  • 業種
  • 本店所在地
  • 従業員数
  • 決算月
  • 申告期限
  • 会計ソフト名
  • 会計ソフトの入力状況
  • 消費税申告の有無
  • 資料整理の状態

期限までに対応できるか

決算申告は期限があるため、依頼先を選ぶ際には「いつまでに申告が必要か」「今から対応できるか」を必ず確認しましょう。期限直前になるほど、資料確認や申告書作成に使える時間が限られます。

迷っている段階でも、早めに相談することで、必要な資料や今後の流れを整理しやすくなります。

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よくある質問

決算申告は社長や会計担当者が自分でできますか?

会計ソフトの入力が整っており、税務調整が少ない法人であれば、自社で進められる場合もあります。ただし、法人税申告書や添付書類の作成には税務知識が必要です。不安がある場合は、申告前に税理士へ確認すると安心です。

決算申告にはどんな書類が必要ですか?

主に、貸借対照表・損益計算書などの決算報告書、勘定科目内訳書、法人事業概況説明書、法人税や消費税などの申告書が必要です。会社の取引内容や税制の適用状況によって、追加書類が必要になることもあります。

決算申告の期限はいつまでですか?

法人の決算申告期限は、原則として事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。たとえば3月31日決算の法人であれば、原則5月31日までに申告と納税を済ませます。期限直前は資料確認に時間がかかるため、早めの準備が重要です。

顧問契約なしで決算申告だけ税理士に頼めますか?

税理士事務所によっては、顧問契約なしで決算申告のみをスポット依頼できる場合があります。当事務所でも、初回相談で決算月、申告期限、会計ソフトの入力状況、資料の整理状況などを確認したうえで、対応可否や概算費用、今後の進め方をご案内します。

決算申告を税理士に頼む場合、費用は何で変わりますか?

費用は、売上規模、取引量、記帳の進み具合、資料整理の状態、消費税申告の有無などで変わります。帳簿が未整理の場合は作業量が増えるため、費用も高くなりやすいです。まずは資料状況を共有し、見積もりを確認しましょう。

決算書を作成するうえで、必要なものは何ですか?

決算書を作成するためには、会計帳簿が必要です。具体的には、仕訳伝票、日記帳、総勘定元帳などをもとに、1年間の取引内容を整理していきます。

会計帳簿を作成するうえで簿記の知識は必要ですか?

簿記の知識があると理解しやすくなりますが、会計ソフトを使えば、領収書や請求書をスマホなどで読み込むことで、比較的手軽に帳簿を作成できる場合があります。ただし、入力内容が税務上正しいか不安な場合は、専門家に確認すると安心です。

まとめ

決算申告は、決算書を作成して終わりではなく、法人税・消費税・法人住民税・法人事業税などの申告と納税まで含む手続きです。必要書類には、決算報告書、勘定科目内訳書、法人事業概況説明書、各種申告書などがあります。

特に初めての決算では、次の3点を早めに確認しておきましょう。

  • 決算申告の期限は、原則として事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内
  • 決算書上の利益と税務上の所得は異なる場合があり、税務調整が必要になる
  • 自社対応が不安な場合は、顧問契約だけでなくスポット依頼も選択肢になる

期限直前に慌てないためにも、まずは資料の整理状況と申告期限を確認し、自分で進める部分と税理士に任せる部分を切り分けましょう。

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初回返信では、現在の状況を確認したうえで、必要資料、対応可否、概算費用、今後のスケジュールなどをご案内します。期限直前の場合でも、まずは申告期限や資料の状況を確認し、対応できるかどうかを判断します。

「決算申告に必要な書類が分からない」「自分でできるか判断したい」「今回だけ税理士に依頼したい」という方は、まず現在の状況をお知らせください。

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